院長コラム

top-p7.png top-p4.png top-p6.png top-p5.png top-p2_20220422201251121.png

HOME | 院長コラム | 院長コラム Vol.42

小槌
院長コラム

Vol.42  2018年の合唱活動


2018/12/22

一二三五(ひふみgo)会の古稀演奏会

 
2月11日に、一二三五会の古稀演奏会が学士会館で開かれました。一二三五会とは、昭和41年、42年、43年、45年(44年は東大闘争で、入試がなかった)に男声合唱団の東京大学音楽部コール・アカデミーに入部したメンバーのOB会です。私は、41年入学の1番上の代で、数人で今回の演奏会を企画しました。学士会館の一番大きい部屋も、一二三五会や、賛助出演の東大女声合唱団コーロ・レティツィアとジョーバニ、それに助っ人のウ・ボイの会のメンバーを加えて、出演者数74名、その他来場者が137名で、ほぼ満員状態になりました。私の司会で、10年前の還暦演奏会に続いての演奏会の開催である旨が告げられて、演奏会がスタートしました(写真1)。
第1ステージは愛唱曲集で、1曲目の「オレーグ公の歌」は大阪から参加の米岡さん(S43)のソロが圧巻でした。2曲目は藤原義久先生作曲の「四つの祈りの歌」から3曲目の「地球の緑の丘」。昭和43年の東京六大学連盟演奏会の合同演奏で、前田幸市郞先生の指揮で初演した曲です。作曲者の藤原義久先生の前で演奏し、藤原先生もstandingの要請に応えていただきました。3曲目の「荒城の月」は、昭和43年の演奏旅行で歌った曲で、その時に山梨日日新聞でも好評された笹本さん(S42入学)が朗々とソロを歌い上げました。4曲目の「インスブルックよ、さようなら」は、昭和45年のドイツ演奏旅行歌った曲です。これまでの4曲は昭和41入学組の学生指揮者川越さん(S41)が指揮をしました。最後の曲、磯部 俶作曲の「ふるさと」は、幼児期よりピアノを習い、絶対音感の持ち主で昭和42年組の学生指揮者の根本 幾さんが指揮をしました。
その後コーロ・レティツィアが入場し、一二三五会と合同で宮下正先生の指揮でモーツァルトの「Ave verum corpus」を歌いました(写真2)。
第2ステージはコーロ・レティツィアで、歌劇「こうもり」から宮下先生の指揮、根本さんのピアノで歌いました。
休憩の後の第3ステージは、青柳さんの長男の忠宏君を中心とする平成入学世代の「ジョーバニ」が、我々がドイツ演奏旅行で初演した藤原先生の「法華懺法」を歌いました。全員が暗譜で歌い、また忠宏君が句頭師を歌って親子二代で句頭師を歌ったのが印象的でした。
第4ステージは、昭和35年に前田幸市郎先生の指揮でコール・アカデミーが本邦初演したケルビーニのレクイエム。我々も、ドイツの演奏旅行で歌い、現役、OBに歌い継がれている名曲です。私は司会で、私と同期で、名前が一字違いだったため、それ以後「トシ」と「マさ」としか呼ばれなかった田中雅章さん(マサ)に捧げて歌う旨話しました。セカンドのパートリーダーだった「マサ」が身体の不調を訴えたのが8月。9月の検査結果は最悪で、10月に急逝しました。マサのご家族も来られており、マサの写真もピアノの横に飾られました。一二三五会のメンバーだけでなく、ウ・ボイの会、ジョーバニの応援も得て、総勢39名。指揮は、前田幸市郎先生のご長男の前田幸康先生、ピアノ伴奏は根本さん。「マサの魂よ、安らかに」と祈りながらレクイエムを歌いました。その演奏が本当に聴衆の心に響いたことが実感できたのは、幸康先生が曲の最後に指揮棒を止めて下すまでの約7~8秒もの長い間、会場はシーンと静まり返っていた時です。マサの魂にも届いたと感じられました。
アンコールは、もちろん「野ばら」。幸康先生の指揮で歌いました。
その後同じ会場を模様替えして、懇親会が酒井さん(S42)の司会、OB会長の山岡さんの乾杯の音頭で始まりました。いつもながら、打ち上げのビールの美味さは格別です。辛口の私の奥さんの「レクイエムは感動して、涙が出た」という言葉に、演奏会の成功を確信しました。
 

写真1
写真1.古稀演奏会の開会のあいさつ
写真2
写真2.コーロ・レティツィアとの合同演奏

 

東京六大学OB合唱連盟演奏会

 
8月11日(土)に、東京芸術劇場コンサートホールで、第10回東京六大学OB合唱連盟演奏会が開かれました。現役のコール・アカデミーの時に、毎年東京六大学合唱連盟演奏会が開かれていましたが、それのOB版が20年幌前から開催されています。
この演奏会は、毎回各団対抗意識を燃やして競い合って歌う演奏会で、我々東京大学アカデミカ・コールは、常任指揮者で新国立劇場合唱団の指揮者の三澤洋史先生に委嘱した「男声合唱と8人のアンサンブルのためのMissa pro Pace(平和のためのミサ曲)」の「Kyrie」「Gloria」「Agnus Dei」を三澤先生の指揮で初演しました。8人のアンサンブルは、弦楽器だけでなく、コンガを中心とするパーカッション、アルトサキソフォンにピアノという普通のミサでは考えられない構成ですが、芸大出身のピアニストに弦楽器は全員都響という豪華なメンバーでの演奏になりました。
「平和のためのミサ曲」ですが、今まで歌ったことのないグレゴリア聖歌調あり、コンガが響くゴスペル調あり、またリズムもシンコペだらけで、ほとんどが60歳をすぎたアカデミカ・コールのメンバーにはとても難しい曲でした。しかし、団内指揮者の酒井さんの粘り強い巧みな指導で練習を重ね、本番も何とか歌いきることができました(写真3)。
来年の8月11日には、同じ池袋芸術劇場でのアカデミカ・コールの単独演奏会で、この「平和のためのミサ曲」の全曲演奏を行います。
東京六大学OB合唱連盟演奏会の最後のステージは、恒例の総勢250人がステージにのり歌います。今年は、男声合唱の作曲者として有名な多田武彦先生が亡くなられたのを偲び、多田先生の「柳河風物詩」より「柳河」を田中信昭先生の指揮で歌いました。そのあと、いつものようにエール交歓。各校の校歌を、各校の指揮者が指揮をして全員で歌うというステージで、ここぞとばかり全員が大迫力で歌い上げ、聴衆の大きな拍手に応えました。
 

写真3
写真3.東京六大学OB合唱連盟演奏会でのアカデミカ・コールの演奏。後列左端が筆者。

 

東大コール・アカデミーOB交歓演奏会

 
9月24日(月)に第6回東大コール・アカデミーOB交歓演奏会が、星陵会館で開かれました。コール・アカデミーの現役・OBで、いろいろなグループで歌っている人たちが一同に集まって交流する演奏会で、今年は10団体が出演しました。
私は、一二三五会でケルビーニの「レクイエム(抜粋)」と「U Boi!」を歌い、ウ・ボイの会でプーランクの「聖フランチェスコの四つの祈り(抜粋)」を歌い、ラバネロのミサ(抜粋)のソロを歌い、アカデミカ・コールで多田武彦作曲の冬の歌2曲と、三澤先生の「平和のためのミサ曲」より“Quoniamu to solus sanctus”と、3つの団体で歌って大忙しでした。
 

ナザレ室内合唱団

 
9月30日(日)に、早稲田奉仕園のスコット・ホールで、ナザレ室内合唱団の50周年記念演奏会が開かれました。ナザレ室内合唱団は、50年前の学生時代にコール・アカデミーの青柳さんが中心となって、コール・アカデミーのメンバーと清泉女子大学コロ・オルキデアのメンバーで、主に中世・ルネッサンスの歌を歌う合唱団として結成された10数名の混声合唱団です。
月1回の練習を細々続けながら、これまでも節目毎に演奏会を開いてきましたが、ついに50周年記念演奏会を開くことになりました。今回は、50年の集大成として、フランスの世俗曲、その他の世俗曲、宗教曲、ジャヌカンの鳥の歌と4ステージ歌い、その他にソロの演奏ステージがあり、私も今ヴォイストレーナーを受けているオペラ椿姫の第2幕にアルフレッドが歌う「燃える心を」をイタリア語で熱唱しました。
会場は家族や友達で埋まり、合唱自体はなかなか思うような演奏ができなかったのですが、温かいまなざしで演奏を聴いてくれました。
演奏会後の打ち上げは、台風直撃のために後日に延期になりました。
 

東京大学音楽部コール・アカデミー定期演奏会

 
12月8日(土)に、代々木オリンピック記念青少年総合センター大ホールで、第65回東京大学音楽部コール・アカデミー定期演奏会が開かれました。OB合唱団であるアカデミカ・コールとして賛助出演し、昨年12月逝去された多田武彦先生を偲び「冬に歌う~多田武彦名曲選~」として、冬に関連した曲を4曲歌いました。その中には、1991年にコール・アカデミーOB会が委嘱し、多田先生の指揮で初演した「東京景物詩」からの2曲も含まれていました。
今年の演奏会の感想は、現役が非常に上手になっていたということです。一時20人を割った人数も30人になり、声は当然我々に比べると若々しく澄んでいるのですが、ある時期の中性的な発声ではなく、しっかりした響きで歌っていました。バードの4声部のミサも、カンターテナーの名手 根岸君のしっかりした響きで、安心して聞けました。
それに比べると、今までは現役と合同で歌っていたので目立たなかったのですが、OBのくすんだ声と響きはいかんともしがたく、我々が第15回の定期演奏会の時に、下手なOB合唱団は載せないとつっぱねたことのしっぺ返しがいつか来そうな予感がしました。OBもしっかり練習を積めねばなりませんね。
 

フォー・グローイングス

 
たなか成長クリニックおかかえ男声カルテット「フォー・グローイングス」も、活動を続けています。「フォー・グローイングス」という名前は、「こども達のために」という意味と「いまだに成長している我々4人」の意味を掛けたものです。私がトップテノールで、昭和大学小児科の田中大介先生がセカンドテノール、アカデミカ・コール同期の沢田 茂さんがバリトン、コール・アカデミーの後輩で、元JCRファーマの立花克彦先生がベースです。今年も、納涼会(8月4日)と忘年会(12月15日)で練習の成果を披露しました。
いつもコール・アカデミーの先輩の大橋正教さんに編曲してもらった曲を歌うのですが、納涼会では、「宇宙戦艦ヤマト」の転調がうまくいかず、途中でなんとか会わせたという状態でした。
忘年会では、ビートルズの「Yesterday」を編曲してもらい、セカンドの田中大介先生のソロがたっぷり聴けました(写真4)。アンコールに、納涼会で失敗した「宇宙戦艦ヤマト」を、転調部分を削除して歌いなおしました。
 

写真4
写真4.フォー・グロウイングスの演奏(たなか成長クリニック忘年会)

 

来年の活動予定

 
来年は、8月にアカデミカ・コールの単独演奏会を開くほか、ゴールデン・ウィークには、イタリア演奏旅行がありヴァチカンの聖ピエトロ大聖堂と、アッシジの聖フランシスコ大聖堂で、ミサを奉唱します。
また9月に我々が学生時代にコール・アカデミーの常任指揮者だった前田先生の没35周年の「前田幸市郎先生メモリアル・コンサート」が9月に予定されており、忙しい1年になりそうです。

院長コラム

当院から様々なジャンルのコラムを発信しています。