低身長・基礎知識
軟骨無形成症
骨の発育に問題があり、四肢が短い体型の低身長が特徴です。遺伝的要因によって引き起こされます。
軟骨無形成症(Achondroplasia)は、最も一般的な骨系統疾患の一つで、低身長の原因となる遺伝性疾患です。この病気は、骨の成長に関与する軟骨が正常に発達しないために起こります。具体的には、四肢の長い骨(例えば、腕や脚)が正常に伸びず、短くなります。
主な特徴
- 低身長: 成人の平均身長は男性で約131cm、女性で約124cmです。
- 四肢短縮: 特に上腕と大腿の骨(近位部)が短くなる特徴があります。
- 頭部が大きい: 比較的大きな額と突き出した額が見られることがあります。
- 鼻の低いブリッジ: 鼻の橋が低く、顔立ちに特徴的な外見をもたらします。
- 脊柱の異常: 腰椎部の過剰な前弯(腰椎前弯症)や、胸椎の後弯(胸椎後弯症)が見られることがあります。
- 手の特徴: 指が短く、三指がより中央に集まっているため「三つ葉のクローバー型」とも呼ばれる形状が見られることがあります。
原因
軟骨無形成症は、FGFR3(線維芽細胞増殖因子受容体3)という遺伝子の突然変異が原因で起こります。FGFR3遺伝子は骨の成長と軟骨の形成を抑制する役割を持っていますが、この遺伝子に変異が起こると過剰に活性化され、骨の正常な成長が妨げられます。多くのケースでは、両親にこの疾患がないにもかかわらず、突然変異によって生じますが、遺伝する場合もあります。
診断と治療
- 診断: 出生前に超音波検査での骨の発達異常から推定される場合があります。出生後は臨床的な特徴とX線検査、遺伝子検査によって確定診断が行われます。
- 治療:
- 整形外科的治療: 脚延長術により、身長を伸ばすことは可能です。
- 成長ホルモン療法: 成長を促進するために使用されることがありますが、効果には限界があります。
- リハビリテーションと理学療法: 筋力と運動能力を維持・向上させるための療法が推奨されます。
- 医療的監視: 呼吸障害、肥満、耳の感染症などの合併症に対する医療的監視が重要です。
生活の質と支援
軟骨無形成症の人々は、身体的な問題に直面することが多いですが、適切な支援と医療ケアにより、充実した生活を送ることが可能です。環境の適応や社会的な支援が、生活の質の向上に大きく寄与します。
2024/9/25
低身長は、同性・同年齢(月も)の子の多数のデータから統計的に定義されていて、背の小さい順に100人並べたときに、前から2人ぐらいが「低身長」という定義に当てはまります。