思春期・基礎知識
思春期に関連するホルモン関連疾患
■甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症(Hypothyroidism)は、甲状腺が十分な量の甲状腺ホルモンを生産できない状態です。
甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を調節する重要な役割を果たしており、その不足はさまざまな身体機能に影響を及ぼします。小児期に発症すると、成長障害をきたします。
[思春期以降の主な特徴と症状は以下の通りです]
- 疲労感:常に疲れている、エネルギーが低下していると感じることがあります。
- 体重増加:食事の量が変わらないにもかかわらず体重が増加することがあります。
- 寒さに対する過敏性:寒さを感じやすく、冷え性が悪化することがあります。
- 乾燥肌:肌が乾燥し、かさつくことがあります。
- 脱毛:髪の毛が薄くなる、脱毛が進行することがあります。
- 便秘:腸の動きが遅くなり、便秘が生じることがあります。
- 筋肉のこわばりや痛み:筋肉がこわばり、痛みを感じることがあります。
- 記憶力の低下:思考や集中力が低下することがあります。
- 抑うつ気分:気分が落ち込みやすくなることがあります。
[原因にはいくつかの要因があります]
- 自己免疫疾患:最も一般的な原因は橋本病(Hashimoto's thyroiditis)という自己免疫疾患で、体の免疫システムが甲状腺を攻撃することで機能が低下します。
- 甲状腺の手術や放射線治療:甲状腺の手術や放射線治療が原因で甲状腺機能が低下することがあります。
- ヨウ素不足:ヨウ素は甲状腺ホルモンの生成に必要なミネラルで、欠乏すると機能低下を引き起こすことがあります。
- 先天性の問題:生まれつき甲状腺の異常がある場合がありますが、現在は新生児スクリーニングにより診断され、治療されています。
[治療]
治療には、甲状腺ホルモンの補充療法が一般的です。
適切な薬物療法によって、ホルモンレベルを正常に保つことができ、症状の改善が期待できます。
定期的な診断と医師の指導に従うことが重要です。
2024/10/8
思春期は小児から成人への移行の過渡期にあたる時期で、種々の成熟段階を経て身体全体が成人に成熟します。