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小槌
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Vol.26  「歌い継ごう あしたへ!」


2013/7/5

 
 6月29日、仙台の東北大学百周年記念会館川内萩ホールで開催された四大学OB男声合唱団ジョイント・コンサートに参加しました。これは、2011年6月に東京で開かれた東京大学、九州大学、東北大学のOB男声合唱団による復興支援ジョイント・コンサート「今こそ歌を!」に続くもので、今回は北海道大学OB男声合唱団が加わりました。(前回の義援金で、東北の合唱連盟は、演奏会を開いたそうです)

 このコンサートのために、我がアカデミカ・コールは嵯峨さんの指導の元に、「東京景物詩」を練習してきました。この「東京景物詩」は、平成3年にアカデミカ・コールが男声合唱の作曲家ナンバーワンの多田武彦先生に委嘱して、その年の12月に多田先生の指揮で初演した曲で、私もそのステージで歌いました。

 今回の演奏会では、もうひとつの楽しみがありました。仙台でジョイント・コンサートが決まってから、観客動員のために、コールOBで仙台方面にいる人に連絡をとって、チケットを捌いてもらおうということになりました。するとOB名簿で、私と同期でコールアカデミーに入った鈴木 廣君が石巻で整形外科クリニックを開業していると記載されていました。鈴木君は当時法学部で、コールアカデミーも2年の途中で辞めていたと思いましたが、ぼくとつでおとなしく、はにかんだような笑い顔は覚えていました。団の実行委員長の犬塚さんに言われて、半信半疑て電話したところ、やはりあの鈴木君だということがわかりました。当日聴きに来てくれるというので早速チケットを送って、後の懇親会でゆっくり話そうという事になりました。

 29日当日、8時28分の「はやて」で一路仙台へ。萩ホールへ到着するとすぐ着換えて発声練習、ステージ練習、合同練習とハードスケジュール。萩ホールは、通常の演奏会場と違って楽屋がないので、4つの合唱団が発声練習場の会議室と、ステージ、控室代りの3階客席を行ったり来たり大変でした。

 演奏会は、北海道大学合唱団OB会のこれも多田武彦先生作曲の男声合唱組曲「北陸にて」で始まりました。2ステージ目は、九州大学コールアカデミーOB男声合唱団TAGは「日本 の子守唄を訪ねて」で、江戸の子守唄、中国地方の子守唄、竹田の子守唄など6曲を歌ました。第三ステージは、東京大学音楽部OB合唱団アカデミカ・コール66名が、日頃の練習成果を十分に発揮できました。

 休憩を挟んで第二部は、ホームの東北大学男声OB合唱団が、総勢90名という大人数で、「くちびるに歌を」を、大迫力で歌い、観客から大きな拍手をもらっていました。最終ステージは合同演奏で、270名がステージに所狭しと並びました。実際私は楽譜を開くと近すぎて老眼で見えないので、すぐ前の川尻さんに「よく見えるように少し持ち上げて」と頼んで、自分では楽譜を開かずに前の楽譜を見ながら歌いました。まず各大学の歌を歌いましたが、全部趣きが違って、歌っていても面白かったので、聴いている人にも面白かったと思います。そのあと「Zum Sanctus」「I've been working on the railroad」「雨」(「水のいのち」より」を歌いました。最後に東北復興の思いを込めて「斉太郎節」を270名がフォルテシモで歌った時には、歌い終わる前から会場は大拍手に包まれました。アンコールは「荒城の月」と「ふるさと」で、「ふるさと」を会場の人と一緒に歌った時は、胸が熱くなりました。
 演奏会が終わってから急いで着替えて、鈴木君と待合せた玄関に向かいました。何しろ45年ぶりに会うので、お互いに相手がわかるか心配でしたが、鈴木君は風貌も変わらず、すぐにわかりました。久々の再開に熱い握手を交わして、話を聞いてみると、法学部を卒業してからまた受験勉強をして金沢大学医学部に進み、31歳で医者になって最終的に故郷の石巻で整形外科クリニックを開業したとのこと。大震災の時は、海岸から1km以上も離れていたのに、津波がきたそうですが、幸い大きな被害もなかったとのこと。一緒に懇親会に行って、同期の仲間と再開し、色々な話に花が咲きました。鈴木君から同期の仲間に「MAGENEDO  N.D.A.B.E  311 ISHINOMAKI REVIVAL」のマークの入った復興Tシャツのお土産がありました。鈴木君とは、コールの連中と一緒に「野ばら」を歌って別れました。

 200人を超える合唱団員の懇親会は、いつものように最後は歌、歌、歌。アルコールも入っていて、この時ほどリラックスして気持ち良く歌える時はありません。次回はおそらく2年後、福岡での再開を期して、東北大学のキャンパスを後にしました。
 

歌い継ごう あしたへ!
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