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No.31 「当クリニックの学術活動」


2021/10/12

当クリニックの臨床研究が、日本内分泌学会の英文誌であるEndocrine Journalに掲載されました。
 
要旨を以下にお示しします。
 
Early growth hormone treatment accelerates delayed onset of puberty in patients with growth hormone deficiency
成長ホルモン分泌不全性低身長症における早期成長ホルモン治療開始は、遅い思春期開始を少し早める
Tanaka T1), Soneda S1)2), Sato N1)3), Kishi K1)4), Noda M1)5), Ogasawara A1)6)
1)Tanaka Growth Clinic 2)St. Marianna University School of Medicine 3)University of Tokyo Hospital 4)Tachibanadai Clinic 5)Showa General Hospital 6)Ibaraki Children’s Hospital
Endocr J doi: 10. 1507/endocrj.EJ21-0209
 

要旨

成長ホルモン分泌不全性低身長症(GHD)における成長ホルモン(GH)治療が、もともと遅いGHDの思春期を早めるかどうか検討した。たなか成長クリニックで、GHDと診断され、思春期開始前にGH治療を開始した男子135名、女子89名の思春期開始年齢の平均は、それぞれ11.7±0.8歳、11.4±1.1歳だった。その平均年齢より十分早く治療を開始した男子83名(開始年齢<10歳)、女子51名(開始年齢<9.5歳)において、GH治療開始時年齢と思春期開始時年齢は、有意な正の相関を示した(男子:r=0.427,p<0.0001、女子:r=0.302,p<0.05)。
これらの対象を、男子8歳未満で治療開始のA群45名、8歳から10歳未満で治療開始のB群39名、女子7歳未満で治療開始のA群26名、7歳から9.5歳未満で治療開始のB群21名に分けたとき、治療開始年齢は、男女ともA群が有意に早かった(Mann-Whitney U検定:男子p<0.01、女子p<0.05、Kaplan-Meier log-rank検定:男子p<0.01、女子p<0.05)。この結果は、早期のGH治療開始は、GHDのもともと遅い思春期開始を少し早めることを示しており、その結果、早く治療開始しても成人身長が高くならないことを示唆している。しかし、早期のGH治療開始は、それ以後の生活の質の改善には重要であるので、推奨されるべきである。

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院長の学術活動をご報告いたします。

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