学術活動
No.27 「当院で行う研究についてのお知らせ(成長ホルモン分泌不全性低身長症のGH治療と思春期)」
たなか成長クリニックでは、2010年1月から2019年12月までに低身長を主訴に当院を初診で受診された方で、そのうち成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断され、二次性徴が発来するまで(男子:精巣容量の増大、女子:乳房発育)治療を継続されていた方を対象に、『成長ホルモン治療が成長ホルモン分泌不全性低身長症の思春期開始に与える影響の検討』という臨床研究を実施することになりました。
成長ホルモン(GH)治療が成長ホルモン分泌不全性低身長症(GHD)の思春期を早めるかどうかは、未だ世界的にも結論が出ていません。わが国において、GHDは早期診断・早期治療が行われてきたにも関わらず、成人身長の改善があまり認められていません。その原因の一つはGH治療が思春期の開始を早めるのではないかということが示唆されています。
GH治療が思春期を早めないとすると、治療を早く開始しても遅く開始しても、思春期開始年齢は同じになるはずです。平均的な思春期開始年齢よりも十分早く治療を開始した症例を2群に分け、思春期開始年齢を比較して、GH治療が思春期を早めるかどうか検討します。また、GH治療開始年齢と思春期開始年齢に正の相関がみられるか検討します。これらの検討により、GH治療がGHDの思春期の開始に影響をあたえるかどうかを明らかにする研究です。本研究では、患者さんの性別、在胎週数、出生体重、出生身長、ご両親の身長、GHDの重症度、成長ホルモン開始時の年齢、身長(身長SDスコア)、体重、骨年齢と思春期開始時の年齢、身長(身長SDスコア)、体重、骨年齢のデータを収集します。すべてのデータは匿名化して収集され、お名前、出生年月日、住所などのプライバシーに関する情報は含まれておりません。
データならびに収集した内容は本研究責任者の下で厳重に管理されます。本研究で得られた結果は、医学的な専門学会や専門雑誌等で報告されることがあります。本研究に必要な資金について、製薬企業などからの資金提供は受けておりません。
この研究を実施するにあたり、倫理的妥当性と科学的合理性が日本医師会倫理審査委員会で詳細に検討され問題のないことが確認されました。
・倫理審査委員会審査終了日:令和3年3月19日
・倫理審査管理番号:R2-15
ご自身の情報を研究に利用することを承諾されない方は下記にご連絡下さい。本研究に関する資料をご覧になりたい場合、またはご質問等がございましたらご遠慮なくお尋ね下さい。
たなか成長クリニック
研究責任者:田中 敏章
連絡先:〒158-0097 東京都世田谷区用賀2-36-7 ファミィーユ用賀1階
電話番号:03-3708-3939