学術活動
No.29 当クリニックでの研究結果が、国際誌に掲載されました。
たなか成長クリニックの成長ホルモン治療中の患者さん・親御さんにご協力いただいたアンケートの結果が、Pediatric Internationalという日本小児科学会の英文誌に掲載されました。
ご協力ありがとうございました。
要旨を以下にお示しします。
Patient preference for growth hormone treatment in Japanese children
日本小児の成長ホルモン注射にたいする患者さんの嗜好
Toshiaki Tanaka1, Takahiro Sato2, Akita Yuasa3, Takechi Akiyama4 and Adbeeb Tawseef4
1Tanaka Growth Clinic 2Madical Affaires, Rare Disease, Pfizer Japan Inc., 3Corporate Affaires, Health and Value, Pfizer Japan Inc., 4RWE & HEOR, IQVIA Solutions Japan KK
Pediatrics International doi: 10.1111/ped.14760
要旨
背景:日本において成長ホルモン注射に対する、患者さんや親御さんの嗜好を評価するような明らかなデータがない。この研究は、治療方法や注射デバイスに関して、患者さんや親御さんが好んで選択するような比較的重要な属性を、定量的に評価することを目的とした。
方法:対象は、専門クリニックに通院する成長ホルモン分泌不全性低身長症の患者さんか親御さんで、Web上で回答する形の離散型選択実験の質問票に答えた。
結果:個々の属性の有用度スコアの決定と属性決定の相対的重要性を評価するために、選択型コンジョイント分析が用いられた。47名が参加し、6名は患者さん自身で、41名は患者さんの親御さんだった。注射の頻度が、患者さんにも親御さんにも一番重要な属性で、毎日の注射よりも週1回の注射の方が好まれた。保管と溶解が、患者さんにとって親御さんより重要で、溶解作業があったとしても室温保管が好まれた。患者さんも親御さんも、治療量を記憶してくれる注射器を好んだ。
結論:注射回数が少ないほうが、成長ホルモン注射の意欲を高め、成長ホルモン分泌不全症患者の長期のQOLの改善に寄与すると考えられた。