院長・副院長紹介

HOME | 院長・副院長紹介 | 学術活動 No.24

学術活動

No.24 特発性成長ホルモン分泌不全性低身長症における成長ホルモン治療後の成人身長調査2016 -男子の蛋白同化ホルモン併用は、成人身長を高くする-


2018/06/15

A 2016 survey on adult height after growth hormone treatment in patients with idiopathic growth hormone deficiency: Combination treatment with anabolic steroid hormone improves adult height in boys
日本成長学会雑誌 24:35-42,2018
 

特発性成長ホルモン分泌不全性低身長症における成長ホルモン治療後の成人身長調査2016
-男子の蛋白同化ホルモン併用は、成人身長を高くする-

 
田中敏章1,2、仲野由季子1,3、野瀬 宰1,3、徳田正邦1,4、木下英一1,5、津留 徳1,6、眞山和徳1,7、上條 隆司1,8、小川英伸1,9、窪田和興1,10、荒木久美子1,11、谷澤隆邦1,12、村下眞理1,13、安原昭博1,14、新川一雄1,15
低身長外来研究会1、たなか成長クリニック2、野瀬クリニック3、徳田こどもクリニック4、きのしたこどもクリニック5、つるのぼるクリニック6、成田赤十字病院小児科7、なごやかこどもクリニック8、帝京大学小児科9、クボタ小児科10、秋山成長クリニック11、たにざわこどもクリニック12、むらしたこどもクリニック13、安原こどもクリニック14、あらかわ子ども医院15
 

要旨

 
低身長外来研究会は、成長障害治療を行っている主に開業医に対するアンケート調査を行い、2012年にわが国で一番高いGHDの成人身長を報告した(小川正道、日児誌116:979,2012)。今回、2010年より2015年に成人身長に達したGHDのアンケート調査をまとめた。
対象は、思春期初期までに治療を開始した特発性GHD108名(男子66名、女子42名)で、重症10名(男子4名、女子6名)、中等症60名(男子37名、23名)、軽症38名(男子25名、女子13名)だった。男子は1名にLHRHアナログ、29名に蛋白同化ホルモン(AH)、5名にAHとLHRHアナログ(LHRHa)が併用されており、女子は3名にLHRHaが併用されていた。GH治療開始時の平均年齢、平均身長SDスコア、平均治療量はそれぞれ、9.4歳、-2.55 SD、0.191 mg/kg/週であった。平均治療年数は6.3年で、男子164.7±4.1 cm(-1.06±0.70 SD)、女子151.1±3.9cm(-1.32±0.74 SD)の成人身長に達した。女子では、GH単独群とLHRHa併用群に、成人身長には有意差がなかった。男子のAH併用群は、GH単独群より思春期の伸びが有意に大きく、成人身長も有意に高かった(166.6cm vs 162.7cm)。
わが国のGHDの成人身長として、一番高い報告である。男子におけるAHの併用は、思春期の伸びを大きくして成人身長を高くした。

当院の院長と副院長を紹介します。

学術活動メニュー