院長・副院長紹介

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学術活動

No.09  業績一覧


2009/1/20
 

SGA児とAGA児における成長ホルモン長期治療効果の比較

 

 
抄録:成長科学協会に登録されて、ほぼ成人身長(near adult height: NAH)に達した症例285名(AGA(appropriate-for-gestational age)268名、SGA(small-for-gestational age)17名)を対象としました。表に示すように、治療開始時には、体重を除いて両郡に有意な差はありませんでした。ほぼ成人身長SDスコアは、AGAの方が有意に大きく、また治療開始時よりほぼ成人身長までの身長SDスコアの改善度(Δ身長SDS)も、AGAの方が有意に大きかった。これは、SGAの方がAGAに比べて早く思春期に入ったためと推測されます。
 

低身長児の心理社会的側面について-健常児との比較から

 
抄録:SGA性低身長症児37名(男25名、女12名、平均4.9歳)と健常児78名(男36名、女40名、平均5.3歳)の親に対して、心理社会的な問題を捉えるためのアンケート調査を行いました。
このアンケートは、29項目を4段階評価するもので、健常児では困難でないと想定した事項でできています。その結果、平均点は全項目においてSGA性低身長症児が健常児より低得点を示しました。主な低得点の内容は、「高いところの物をとるのが大変そうに見える」など身長が低いこと自体に起因する問題の他、「食欲がない」などの生活面、「元気がない」などの体力・運動面での問題もみられました。また「仲間はずれにされる」といった他のこどもとの関わりや、「しょっとしたことで泣く」などの情緒面での問題も明らかになりました。
 
Efficacy and safety of growth hormone treatment in children born small for gestational age in Japan(日本におけるSGA性低身長症に対するGH治療の有効性と安全性)

抄録:SGA性低身長症に対するGH治療の有効性と安全性について検討しました。対象は2つのグループに分けられ、34名は0.033mg/kg/日の量を、他の33名は0.067mg/kg/週の量をそれぞれ1年間投与された。0.033mg/kg/日の群は1年間の成長速度が8.1cm/年でしたが、.067mg/kg/日の群は9.7cm/年と、有意によく伸びました。成長速度SDスコアは、0.033mg/kg/日群は-1.9SDから-2.6SDまで改善し、0.067mg/kg/日の群は-1.4SDから+4.7SDまで改善しました。身長SDスコアは、両群治療前-3.1SDでしたが、1年後は0.033mg/kg/日群は-2.5SD、0.067mg/kg/日群は-2.2SDでした。大きな副作用はなく、経口ブドウ糖負荷試験も、糖尿病型になったものはありませんでした。
成長促進作用は、0.067mg/kg/日の群の方が有意に大きいことが示されました。

当院の院長と副院長を紹介します。

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